K字回復型 事業承継とは
継いで、伸ばす。価値を未来につなげる承継へ
「K字回復型事業承継」とは、過去の価値を捨てるのではなく、企業が長年培ってきた信頼・理念・文化(=根)を活かしながら、時代に応じた新たな価値(=花)を咲かせる、“継いで伸ばす”承継のかたちです。
これは、事業の停滞や衰退を前にしたときに、「承継=終わり」ではなく、「承継=再成長の始まり」と捉え直す、現実的で希望あるアプローチです。
なぜ、いま「K字回復型」なのか?
近年、行政も「事業承継にはイノベーションが必要」という立場を明示するようになりました。税制や補助金、ガイドラインの整備が進む中、ただ引き継ぐだけではなく「変化に対応すること」が前提となりつつあります。
しかし、現在主流となっているのは「ゼロからの新規事業」や「事業の完全な転換」によるリセット型のイノベーションです。それは魅力的に映る反面、過去の資産を活かしづらく、実現までに時間とコストがかかるという現実があります。K字回復型は、それとは異なるアプローチです。
強みを活かしたイノベーションへ
私たちが提案するのは、次のような成長戦略です。
- 既存の顧客基盤や信頼関係を維持しながら
- すでに持っている技術・ノウハウ・文化を活用し
- 小さな一歩から、新たな可能性を育てていく
つまり、「いまある価値を、未来の成長につなげる」こと。
承継とは、本来、蓄積された価値を未来へと受け渡す営みのはずです。K字回復型は、その本質を活かしながら変化に対応する、現実的かつ希望のある道筋だと考えています。
市場の成長曲線を見据えた再設計
企業が事業承継に直面するのは、多くの場合「成熟期〜衰退期」に差しかかったタイミングです。
売上や市場の成長が鈍化し、「このまま続けていいのか」「どこかで立て直さなければ」と感じ始める一方で、具体的な対策が見えづらくなる。そんなとき、私たちは“いま自社がどこにいるのか”を冷静に見つめ直すために、「市場成長曲線」という視点を用います。

一般的に、事業の成長には以下の4段階があります:
- 導入期:商品・サービスを立ち上げた初期段階。認知度が低く、売上も不安定。
- 成長期:ニーズが拡大し、売上も急伸。競合も増え、勝負どころが明確になる。
- 成熟期:売上が安定し、競争が激化。差別化が難しく、戦略の転換期を迎える。
- 衰退期:市場そのものが縮小し、これまでの成功パターンが通用しづらくなる。
K字回復型では、この成熟〜衰退フェーズを「終わり」ではなく「再構築の好機」と捉え、次のような視点で企業と共に再設計を行います:
- 自社の強み・資源の棚卸し
- 顧客ニーズや市場動向の分析
- 成長が見込める“新たな土壌”の発見と、再投入
これにより、承継が“ただの引き継ぎ”ではなく、“次世代の成長戦略”へと変わります。
対話から始まるK字回復
私たちの支援では、経営者と後継者が「何を守り、何を変えるか」を共に見極める対話のプロセスを重視します。価値観や理念、こだわりといった目に見えない資産を言語化し、どのような成長につなげていけるのかを一緒に描いていきます。